時計制作においてピエール・クンツが成しえたものとして、このモデルもまたレトログラードの歴史を塗りかえるものでした。
12時に位置する大きな日付け表示は3mmと大きく視認性にすぐれ、曜日のレトログラードとあわせ、見事にデザイン配置されています。
6時位置にあるダブルレトログラード・セコンドは同じ軸に重ねて固定された2つの針が、0秒から30秒と30秒から60秒までのそれぞれ独立した針を、リレーのバトンを繋ぐように進め0から30秒までは左から右へ、30秒から60秒までが右から左へと針が追いかけていきます。その追いかけ回す様子から通称“シャゼ(フランス語の意)と呼ばれています。
そして、もう―つの特徴はケースの裏蓋にぜんまいの残量がひと目でわかるレトログラード式パワーリザーブを備えたことでした。(オプション)
この裏面全体を使用した大振りのダブルフェイス・パワーリザーブは世界で唯一の機構です。