パーペチュアルカレンダー

ピエール・クンツ<PIERRE KUNZ カタログ>パーペチュアルカレンダー

1582年、教皇グレゴリウス13世は、同年の「10月4日の翌日を10月15日とする」と定めて、新たにグレゴリウス暦を確立しました。それまで使われていた暦は、すでに実際の太陽に基づく1年と一致せず、年間で11分14秒ずつ先に進んでいました。このずれを解消するために教皇は10日間の日付を省略して、改暦を断行したのです。

グレゴリウス暦では、西暦年が4で割り切れる年は閏年であっても100で割り切れる場合は間年としません。ただし例外として、西暦年が400で割り切れるなら閏年になります。このような計算の仕方のため、西暦2000年は閏年ですが、2100年、2200年、2300年、2500年は平年として扱われます。
パーペチュアルカレンダーは、こうしたグレゴリウス暦に基づいて設計されたグランド・コンプリケーション機構を腕時計に再現する複雑モデルの一つに数えられます。

ピエール・クンツの工房(ジャントゥのピエール・クンツの自社工房)では、これまでに蓄積された技術やノウハウを活かして、これまでに2種類のムーンフェイズ表示付きのレトログラード・パーペチュアルカレンダーを開発しました。A0030PRモデルでは日付と曜日がレトログラードによって示され、G0080PRIモデル(アンスタンタネ)では曜日、月、そして閏年の表示にレトログラードが用いられました。

このアンスタンタネ・パーペチュアルカレンダーを制作するにあたって、ピエール・クンツは新しい特徴を加えたいと考え、カレンダー表示が深夜12時に瞬時に切り替わる「ジャストインタイム」機構や、さらにいつでも素早くカレンダー表示の修正ができる機構も採り入れました。

高度な複雑時計の技術と非常に見やすい表示を併せ持つパーペチュアルカレンダーのデザインを時計師の ピエール・クンツが最初に夢に描いたのは、ヴィクトラン・ピゲで慟いていた頃にまで遡ります。そのよ うな夢を叶えるために、彼はまず子供の発想のようにシンプルな文字盤をデザインすることから始めまし た。しかし当時は、さまざまな複雑機構の脇に置かれているにすぎませんでした。こうした彼のアプローチ はしだいに複雑な課題へと発展し、時計市場で最も複雑な「レトログラード・パーペチュアルカレンダー」 ヘと結実したのです。

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