レトログラード・タイムゾーン・グランドデイト

ピエール・クンツ<PIERRE KUNZ カタログ>レトログラード・タイムゾーン・グランドデイト

97時間20分、これはジュール・ヴェルヌが「月世界旅行」で描いた地球から月までの所要時間です。それは人類が未知の世界へと初めて乗り出す冒険物語としてあらゆる魅力を網羅した傑作小説でした。ピエール・クンツは、ヴェルヌのこの夢物語にインパイアされ、グラフィカルデザイン・トレンドを採り入れた「レトログラード・タイムゾーン・グランドデイト」を発表しました。

11時位置のデイ&ナイト表示が絶妙なポジションに配され、太陽のキャラクターが夜明けとともに姿を現し、日が沈むと今度はクレーターが無数に描かれた月や星のキャラクターが現れます。また6時位置のスケルトン部からは2つの歯車の繊細な動きを愉しむことができ、そのスケルトンのデザインにもクンツの遊び心を感じます。

ピエール・クンツ自身が描いたデイ&ナイトのアニメーション・アートは、太陽が昇ってから夜空に星々が輝くまでの一日をまるで絵本のように表示し、これまでの作風とは異なるメルヘンな印象を与えます。
彼のスケッチによるポップで抽象的な印象と、インダストリアルなデザインで表現された機械式時計の複雑でテクニカルな部分との、一見相反するような側面を最高の形で融合し、互いを際立たせています。 日時計からインスパイアされたセカンドタイムゾーンもレトログラード機構で表示し、文字盤のデザインにシャープなアクセントを添えています。

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