トゥールビヨンとはムーブメントのテンプに加わる重力の影響から生じる誤差を補正して精度を向上させるために考案された複雑機構です。これまでに多くの時計師をトゥールビヨンの制作という挑戦に駆り立てましたが、その並外れた繊細さと複雑さから、極めて高度な技術を持った一部の時計師以外制作する事が出来ず、一般に普及するまでには至りませんでした。

ピエール・クンツの２つのトウールビヨンは、その高い技術力はもとより、その芸術作品としての美意識の高さもまた惜しみなく表現されています。ロンドケースのA701TJDRモデルは日付と曜日のレトログラード表示、キャレケースのH802TFHRモデルはセカンドタイムのレトログラード表示を搭載してい ます。後者は、以前よりスクエアのトウールビヨンを開発したいと考えていたピエール・クンツが、ムーブメントからモジュール、ダイアルやトウールビヨンのキャレッジまでもがすべてスクエアというアイディアを考案、完成させたモデルです。
そして、このH802TFHR「トウールビヨン・トータルスクエア」を創作するにあたっては、テンプさえもスクエアにするという機械式時計史上初めてのアイディアを実現しました。

最高峰の作品を作り出すピエール・クンツは、オリジナルムーブメントの開発と製作をジャントゥの自社工房で行い、他メーカーとの違いを明らかにしています。この２つのトウールビヨンは、ピエール・クンツの工房で１つ1つ手作業によって組み立てられています。